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2012年11月アメリカ大統領選挙で為替相場はどうなる?-予想と対策
cms.tatsujin05 (2012年8月18日 17:02)
2012年11月にアメリカの大統領選挙がある。アメリカの将来のみならず、世界経済の行方を大きく左右すると注目のイベントだ。米大統領選挙は為替相場に影響をおよぼすのか、過去の相場動向から、今後の行方を予想する。

厳しい世界経済で迎えるアメリカ大統領選挙

2012年は大統領選挙の当たり年である。3月のロシアに始まり、5月のフランス、7月のインド、メキシコ9月の日本の民主党代表選、10月の中国の主席交代、11月のアメリカ、締めくくりは12月の韓国だ。市場のリスク許容度の増減が相場動向を左右する昨今、主要国の政局もこれまた重要なリスク要因・相場変動要因と認識される。


欧州各国の相次ぐ政権交代により新財政協定のもろさが露呈しつつあるが、一方で史上最大規模の財政赤字を抱えた世界経済第1位のアメリカの大統領選挙は、今後4年間のアメリカの行方のみならず、2012年後半から2013年にかけての相場動向に、大きな影響を与えるイベントだろう。


世界経済が厳しい状況のなかで、世界最大の消費国アメリカに対する新たな期待が大きくなりつつある。ただし、1985年のプラザ合意の頃から。双子の赤字(貿易赤字と財政赤字を抱えてきたアメリカは、民主・共和どちらが政権を取ったとしても、景気浮揚のための「本音のドル安政策」と財政赤字の海外ファイナンスを円滑にする「ドルの暴落阻止(ドル高政策)」という、相反する政策を組み合わせて実践していくと見ている。

アメリカ大統領選挙のアノマリー理論を越えた規則的な現象

では過去のアメリカ大統領選と為替相場を振り返ってみましょう。アメリカでは1981年の共和党レーガン大統領から2009年の民主党オバマ大統領まで5人の大統領が就任し7回の大統領選挙が戦われた。その内訳は共和党が3人で20年間、民主党が2人で12年間だった。

この間、アメリカの大統領選挙と為替相場の間には、5つのアノマリー(経験的な規則性)が指摘されている(以下参照)。

検証① 民主党政権化下はドル安、共和党政権下はドル高

民主党政権下でドル円が年間下落した割合は63.6%

共和党政権下でドル円が年間下落した割合は64.7%

正しくない(×)=どちらが政権をとろうがドル相場に大きな変化はない。

検証② 大統領選挙の年はドル円のレンジは狭くなる

大統領選挙の年のドル円の平均年間値幅は18.85円

大統領選挙の年以外のドル円の平均年間値幅は25.23円

正しい(○)

検証③ 大統領選挙の前年は株高

大統領選選挙の前年で株価が上昇した年=7年

             下落した年=0年

正しい(○)

検証④ 大統領選挙の年と翌年はドルが強い

該当年でドル円が年間で上昇した年=9年

           下落した年=5年

正しい [ドル>円]

検証⑤ 中間選挙の年とその翌年はドルが弱い

該当年でドル円が年間で上昇した年=2年

           下落した年=12年

正しい [ドル<円]
 

※備考 『上記調査期間における歴代のアメリカ大統領』

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【☆共和党】ロナルド・レーガン(1981-1989)

【☆共和党】ジョージ・H・W・ブッシュ(1989-1993)

【★民主党】ビル・クリントン(1993-2001)

【☆共和党】ジョージ・W・ブッシュ(2001-2009)

【★民主党】バラク・オバマ(2009-  )


もちろん、市場のすう勢として1985年のプラザ合意以降、ドル円相場は長期下落基調にあり、2004年のブッシュ大統領再選時には2005年のアメリカの時限立法である本国投資法(HIA)施行によるドル買い需要がすでに発生していた。


2008年のオバマ大統領誕生時は、リーマンーショック真っただ中でドルの暴落危機が差し迫るなど多くの特殊事情は存在したが、結果としては、アノマリー①以外はまずまず正解といえそうだ。つまり民主・共和のどちらが政権を取ろうがドル相場に大きな影響はないといえる。


一方、その他ほとんどのアノマリーに妥当性が見出せる理由としては、大統領選挙の年に現職は選挙に向けた経済政策を積極的に行い"強い国、強い通貨"を国民にアピールし、ファンダメンタルズの改善を選好したドル買い需要が大統領選挙年およびその翌年も持続するということだろう。

大統領選挙の相場への影響シナリオ

オバマ大統領は「富裕層への増税」、またロムニー候補(共和党)は「中小企業への減税」とアプローチは異なるが、どちらも景気回復に主眼を置いて中間所得層支援を目指している。


メインシナリオとしては、ドル堅調地合いの展開が予想される(アマノリー④)。2012年後半から2013年にかけては、たとえギリシャがユーロを離脱しようがしまいが、欧州ソブリンリスクは最悪期を脱するだろう。


欧州不安の軽減は米経済にとっても好材料であり、現在の緩慢な景気回復のペースが速まれば、懸案の雇用情勢も改善しアメリカの出口戦略が具体化すると考えている。


リスクシナリオは、欧州悲観シナリオでリスク回避の動きが継続されるというもの。ギリシャ不安がその他の欧州諸国に飛び火し、欧州ソブリンリスクがさらに悪化。米大統領選挙による経済対策も奏功せず、アメリカは景気の二番底に突入。超低金利政策がさらに延長されて米ドルは続落し、財政赤字はさらに悪化してアメリカの格下げに繋がる展開も予想できる。


アノマリー②~⑤によれば、民主・共和のどちらが勝っても相場への影響は大差ない。むしろ、欧州債務問題の行方がフォーカスされている。欧州の状況によって米大統領選の結果が相場に与える影響も大きく異なってこよう。大統領選挙を見つつ、どちらのシナリオが展開されるのか、楽しみながら見ていきたい。

2012年後半のトレードシナリオ

2012年のアメリカ大統領選を控えたドル円、ユーロ円、豪ドル円の為替レートの見通しと予想です。 tsuka.jpg

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